国道沿いにしか衣料店がない地方の憂鬱

id:p_shirokumaさんのこちらのエントリを読む。

これは痛いほど良くわかる。なぜなら僕も1人暮らしをする前は、まさにこのような感じだったから。県庁所在地やその周辺の都市部ではまだ「駅前」なんて概念が存在して駅の周りに店があったりする。しかしそうではない場所の場合、でっかいバイパス道路が通っていてその道沿いにこれまた「○○最大級」などと銘打たれた商業施設がある。たとえばジャスコとか、複数の店が集まった複合商業施設とか。

今現在はどうだかわからないが、僕が住んでいた地方では無印やユニクロがなかった。僕は東京に出てきてから初めて無印で服を売っていることを知った。脱オタファッションの話でユニクロ、無印の話が良く出る。「えー、そんな小洒落たもんねぇよ」という人もいるんじゃないかなぁと密かに思っていたりする。

だいたいあるのはしまむらみたいなお店。車で1時間走ってしまむら。都市部近いところにいる人はわからないかもしれないけれど。

地方に住んでいると移動にものすごいコストがかかる。時間的にも金的にも。オタクはただでさえ趣味に多くのコストを持っていかれる。移動にもコストを持っていかれるのでやはりどこかを削らないといけない。これは中学生とか高校生のときに顕著に現れる。本やCD買ったらもう他にまわらない。(まぁ他にまわるお金があってもさらに本やCD買うけど)

家にいれば母親が服を買ってきてくれる。ちょいと微妙と思っても自分で買う気も時間も金もないので、それをずっと着ることになる。で、色気づいて服でも買おうと思って遠出してもしまむら。これは萎えるはず。僕の場合、「服を自分で買おう」と思うようになったのは東京に出てきてからなので、行こうと思ったところに容易に行けた。

地方都市と都市圏の断絶よりも地方町村(仮)と地方都市の断絶の方が深い。国道沿いでことがすんでしまう場合、地方の都市部にまで到達しないまま生活をする。ド田舎にいる場合、地方都市に行くことも大都市圏にいくことも気分、コストともにそんなに変わらない気がする。

脱オタファッションで啓蒙すべきは、ユニクロ無印でもなくマルイパルコでもなく、地方国道沿いの衣料品店ではなかろうか。